今回のテーマは、【やってはいけない住宅の定番ごと①】
この記事では、
- 『やってはいけない住宅の定番ごと』とは
- なぜ、やってはいけないのか
- デメリットについて
といった順番に解説いたします。
住宅購入などをお考えで失敗したくない方はぜひ参考にしてみてください。
『やってはいけない住宅の定番ごと』とは
やってはいけない住宅の定番ごとの1つが、
『4LDKは欲しいです』というリクエストをすることです。
これは、一戸建てのイメージが固まっていない人に多いリクエスト。
間取り相談時、プロ・アマ問わず、まず最初に言われます。
なぜ、やってはいけないのか?
『4LDKは欲しいです』というリクエストはしないほうが良い理由は、
ほとんどの方が4LDKのLDK以外の4部屋を何に使うのか明確でないからです。
私は『4LDKは欲しいです』というリクエストされるお客様に、『4LDKの4とはLDK以外の部屋数のことなのですが、何に使う部屋かお聞かせ願えますか?』と質問をします。
だいたいのお客様が、
- 主寝室
- 子供部屋(その1)
- 子供部屋(その2)
3つ目までは答えられても、
『4つ目の部屋は何に使うのですか?』と聞くと、ほとんどの方が答えに窮します。
ひねり出した答えでよくあるのが、【客間】です。
しかしながら、客間に寝るお客さんは年間のうち何日くらい泊まっていくでしょうか?
『せいぜい3日、もしくは泊まっていく人はいない。』とお答えになる方がほとんど。
限りあるスペースの中で、このような頻度の利用しかしない部屋を作るのは非常にもったいないです。
現代の生活様式で、客間という概念は考えないほうがベターなのではないでしょうか。
また、4つ目の部屋として【納戸】とお答えになる方も多いです。
【納戸】とは現代版でいうところのWIC(ウォークインクローゼット)。
部屋ではなく収納と考えるべきで、部屋の概念は必要ありません。
部屋の概念とは、
- 寝具(布団ないしベッド)
- デスク
- 衣類収納(クローゼット含む)
が無理なく配置でき、一般的には4畳半ほどは欲しいと言われるところです。
人が入ってモノをしまうだけの利用であれば、部屋より広さや形状の制限が緩くなるため、余剰スペースを利用すれば問題ありません。
具体的すぎるリクエストによるデメリット
『4LDKは欲しいです』というように明快に数字で具体的すぎるリクエストを出すとデメリットが生じる場合があります。
それは、『4部屋の確保のために少しの不具合等は我慢してください』というように設計士側が主張できてしまう点です。
こういった主張ができてしまうため、本当に4部屋の使い方が決まっている人以外は安易にリクエストしない方が良いでしょう。
例えば、風邪を引いたかな?と思って病院へ行っても、医者に『風邪薬をください』と言いませんよね?
医者も患者にそういわれたところで、『はい分かりました、風邪薬を出しますね』とは言いません。
- どんな症状なのか
- いつから具合が悪いか
- 持病はないか?
などをいろんなことを聞き、診察してくれるはずです。
『診て、察する』のが医師の役割であって、患者に言われたから風邪薬を出しました。とはなりません。
これを住宅の設計にあてはめると、
『4LDKは欲しいです』とのっけからリクエストするのは、『風邪薬をください』というのと同じ。
施主が自分に必要な部屋数を決めつけてしまっているんです。
しかし、『はい分かりました』と簡単に風邪薬を出してしまう(リクエスト通りに設計する)設計士も少なくありません。
本当は風邪ではなく、別の場所に体調不良に原因があるかもしれませんよね。
それに、自らが要望した適切でない薬を服用すれば、もっと体調が悪くなることも考えられます。
住宅でいえば、不要な部屋を一つ多く確保するより、もっと必要なスペースや設備機能に使った方が快適で住みやすい住宅になるところを、わざわざ良くない方向(体調不良)に向かう感じでしょうか。
部屋数の設定はハナから決めるべきものでなく、必要に応じて決まっていくものなのです。
施主自らが安易に数字でリクエストせず、設計士に要望を吸い上げてもらって決めることをお勧めします。