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【一級建築士が解説】狭小住宅とは

タ・ナ・ゴコロ株式会社 一級建築士事務所 代表の中川です

今回のテーマは、『狭小住宅とは?』

ここ数年ではテレビ・雑誌でも住宅関連のテーマでは耳にする【狭小住宅】というワード。

私もホームページや名刺に【狭小住宅】はお任せください!と載せていたりします。

ですが、一体どんなものなのでしょうか?

狭小住宅とは?

【狭小住宅】について参考までにウィキペディアで調べてみると、

『明確な定義はないが、一般に約15坪以下の土地に建てられる住宅…』

とあります。

ただ、世に出ている建築例を見てみると、個人的にはこれのどこが【狭小住宅】なのか…と思うような広さの土地ばかり。

15坪どころか倍近くあるような土地に建つ住宅も【狭小住宅】として御目見えしている例もあります。

すべてについて調査したわけではないのですが、印象としては一般的にアトリエ系と言われる設計事務所さん作品に見られることが多いです。

建売系の住宅ではたしかに【狭小住宅】のイメージに合う物件もあります。

しかし、土地が15坪以下という条件で定義された住宅は、ネットや雑誌を賑わせているほど実状は多くない印象です。

例えば、私の活動エリアである東京23区内では、15坪以下の土地を目にすることや設計のご依頼も多いですが、他の都市部や郊外においては、建築例のパーセンテージでいえばよくて1桁台程度ではないでしょうか?

理由の一つですが、各行政庁が定めている条例や指導要綱といわれる制限で、『細分化条例』というものがあります。

細分化条例とは簡単に言うと、

『1つの敷地を〇〇㎡以下に分割してはいけない』というもの。

23区内でも多くの行政庁が定めています。

細分化条例は、用途地域(その土地に建てることができる建物の種類・制限)といわれる規定によっても変わってきます。

60㎡以下ではアウトというケースが多く、不動産業者は土地を50㎡以下で販売することはできません。

また、住宅地でも地価の高い都市部では、このように法の制限内で小さく土地を分割して販売されるケースが多いです。

一方、都市部より地価の安い郊外では、法の制限以上に慣習や広さの相場観によって土地の面積が決まってくるケースが多くなっています。

両者では、建築価格と土地価格の高低差で逆転現象が起きているのです。

都市部では土地価格が建築価格の2~5倍で推移するのに比べ、郊外では建築価格を土地価格の2~3倍ほどかけ、都市部より大きい住宅が好まれる傾向があります。

郊外では都市部とは逆に、住宅のイメージを満たすための広さの土地でないと安かろうが”小さすぎて売れない(要らない)”と判断されてしまうわけです。

このような条件に満たない土地が、顧客ニーズ的に【狭小住宅】として捉えられます

先に挙げたアトリエ系設計事務所さんが、30坪近くはあるような土地に建築している作品を、狭小住宅として世にリリースしているのは、このケースに分類されているのではないでしょうか。

建蔽率と容積率から考える狭小住宅

土地には

  • 建蔽率
  • 容積率

という建築可能な大きさの制限があります。

簡単にご説明すると、

建蔽率 … 土地を上空から見て建築可能な建物の割合

容積率 … 土地にトータルで建築可能な建物の割合

といった感じです。

まずは、同じ50㎡の土地を用途地域別で例に挙げて検証をします。

Aの土地の建蔽率・容積率の計算をすると、1フロアは20㎡までトータル40㎡の2階建が限界なのに対し、Bの土地では、1フロアに40㎡建築できトータルでは120㎡も建築可能です。

2つを比較すると、同じ50㎡の土地なのに、BはAの3倍の建物を建築することができます。 

Bのトータル120㎡という広さは、もはや狭小住宅とは呼べない広さという印象です。

Aに至っては、一戸建てというより1DKのマンション程度の広さしか確保できていません。

このように、土地の面積が50㎡であるからといって、必ずしも建物が【狭小住宅】になるとは限らないようです。

余談ですが、私の自宅は14坪に建つ住宅。

狭小住宅に分類されそうですが、土地の形状というとほぼ直角三角形なので、不動産業者の観点でいえば不整形地となります。

建物は一言でいえばショートケーキのような形です。

このような不整形地では、間取りを入れる難易度は上がり、自由度は低くなりがちです。

建物平面の多くは長方形などの矩形で、辺の寸法を変化させつつ土地の中に安定した矩形をどう配置するかが狭小住宅の間取りの肝であると私は考えているので、次は土地の形状が狭小住宅に与える影響も検証してみたいと思います。

土地の形状から考える狭小住宅

建物というのは民法の規定や仮設足場設置などの理由から、土地の隣地境界線からある一定の距離を離して配置しなくてはなりません。

Cの土地の建築可能範囲を見て頂ければ、ほぼ建物が成立しないのが一目で分かります。

Dの土地の建築可能範囲であれば、なんとなく建物が成立するだけの形や広さが確保できます。

面積は同じ50㎡なのに、形状特に敷地の間口が違うことによりこんなにも影響が出るのです。

狭小住宅】のうち「狭い」という漢字の意味には、敷地間口が狭いという意味が含まれているかもしれませんね。

狭小住宅についてまとめると

これまでの検証をもとにすると、【狭小住宅】の定義条件は、

  1. 土地面積の目安は15坪以下である
  2. 土地面積の数字のみで決まるのでははなく、建蔽率・容積率の制限を考慮する必要がある
  3. 平均ニーズなどの地域性によって、土地の大きさの目安も変化する
  4. 不整形地や間口が小さい土地である

以上の条件が重なる土地に建築されるものであると考えられます。

とは言え、設計士のプロ目線でいえば、ひとことで『この間取りをよく入れたなぁ~』と感じる間取りの上手さがないと、ただ間取りを捩じ込んだだけの無味乾燥な狭小住宅になってしまいます。

それは、避けたいところです。

一般の方が見ても『この間取りをよく入れたなぁ~』と感じる動線処理やレイアウトがあってこそ、どこに出しても恥ずかしくない【狭小住宅】といえるかもしれないですね!

私も日々、精進し続けたいと思います。

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